
当院の鍼灸施術について
当院では、患者さんひとりひとりの身体に合わせて、ツボの位置、はりの種類、太さ、長さ、また、お灸の必要性を考えて施術を行います。
四診と呼ばれる東洋医学の診察法から、からだの状態を把握し、どこに負担がかかって症状が出ているのかを細かく分析し、治療方針を決定します。
中医学理論を基にした診察法


体型、顔色、舌、眼、頭髪、皮膚など視覚による診察方法を、望診。
声、腹鳴、咳の音など聴覚によるものと、体臭などの嗅覚による診察方法を、聞診。
対話によって症状の把握をする診察方法を、問診。
脈診、腹診、背候診、ツボの状態などを実際に触れる診察方法を、切診。
これら四診から得た情報から身体の状態を分析し、証(西洋医学でいう診断名)を見立て、それに応じた経穴(ツボ)を選び、治療を行います。
身体の状態を多面的に把握することで、施術後の効果判定や、養生方法につなげることができます。
少数鍼・少数灸による鍼灸治療


証に相応する経穴の中から、最も反応のあるツボを絞り込み1~2か所に鍼または灸を行います。
使用する鍼の太さは、0.18~0.24mmと髪の毛ほどの細いもので、刺入も数ミリから深くても2センチ程度のことがほとんどです。
刺入しない鍼でも同様に身体の状態を見立てて、18金・銀・真鍮・ステンレスの古代鍼を皮膚に当てる、かざすといった治療を行います。
腹部を身体全体の縮図と考え、腹部に限局して行う打鍼治療もあります。
灸は、半米粒大のものや、台座灸、筒状のかざして温める棒灸などを適宜使用します。
女性鍼灸師による施術
女性特有の疾患、からだの悩み、不安など、気になることは何でも聞いてください。
完全予約制・完全個室
ベッド1台の完全なプライベート空間です。周囲を気にせず、安心して施術に集中していただけます。
個別のセルフケア指導
症状、体質、生活スタイルを踏まえて、取り入れられそうなものを相談しながら、提案していきます。
ハリは毎回使い捨て
当院で刺入する鍼はすべて滅菌済みディスポーザブル(=使い捨て)針ですので、感染の心配はありません。
刺さない鍼による施術
子供や敏感な方、鍼が怖いという方に、皮膚に当てて刺入はしない、接触鍼を用いた治療も可能です。
他院への紹介
遠方の方など、信頼できる先生をご紹介することも可能です。
お気軽にご相談ください。
鍼灸施術の流れ
カウンセリング
主訴、病歴、生活環境、月経状況等をお伺いします。

東洋医学検査
舌診・脈診・腹診・背候診・原穴診等の触診を行います。

施術
身体の状態に応じて、鍼の種類、置鍼時間を設定し施術します。

養生説明
より早く症状が改善するよう、養生方法や通院ペースを提案します。

・注意事項・
所要時間は、初回が2~3時間、二回目以降は50分ほどお時間頂戴します。
現在服用中のお薬がありましたら、お薬手帳など名称のわかるものをお持ちください。
舌が着色されるもの(コーヒー、ジュース等)はお控えいただき、(舌診のため)
薄化粧で、できればマニキュアも初診時はない方が望ましいです。(顔面気色診・爪甲診のため)
上下の分かれる服装でお越しください。(腹診・背候診のため)
伝統鍼灸について

鍼灸は、古代中国で生まれ、中国、韓国、そして日本へと伝わり、生薬による治療(後の漢方)と共に東アジア各国の主要な医療技術として発展してきた伝統医学です。
日本では、江戸時代に、鍼での治療を行う医師(鍼医)と生薬での治療を行う医師(漢方医)に分業化されました。
そしてこの頃行われた盲人保護政策により、あんま・はり・きゅうを視力障害者の医師が担うようになり、それまでの決められた経穴(ツボ)に刺す技法から、体表面の反応や変化を手先の感覚で捉え、変化のある処こそ経穴であり治療ポイントであるという、“見る”から“触る”へと発展したのが日本の鍼灸です。
現在の日本において鍼灸を行えるのは、「医師」、「はり師」、「きゅう師」の国家資格取得者に限定されています。
西洋医学と東洋医学との違いとして、西洋医学の治療の多くは、症状がある部位に対して検査・処置する対症療法であるのに対し、東洋医学では症状を引き起こしている原因を探り、大元に対処することでバランスの安定を図り、症状の改善を目指す根本治療です。
このように、治し方、考え方に違いがありますが、どちらにも利点があります。
双方の得意分野を磨くことで、治療を受ける患者さんの選択肢が増え、治る病の裾野が広がることを願っています。
そのため、鍼灸治療は東洋医学的なものさしで、診察・治療を行うことが重要であると当院では考えております。
鍼灸の作用・適応疾患
